Airbus主導の公的助成プロジェクト「SAUBER 4.0」および「LeiWaCo」にて JECイノベーションアワードを受賞
24. March 2026 | ブログ
テイジン・カーボンが、ドライファイバー材料および熱可塑性プリプレグの開発・製造に関する専門知見の提供を通じて参画した2つのプロジェクト「SAUBER 4.0」と「LeiWaCo」が、このたび JECイノベーションアワードを受賞しました。
本アワードにおいて審査員団は、これらのプロジェクトが実現したスマートで持続可能、かつ産業規模への展開が可能な次世代プロセスおよび材料技術を高く評価しました。
航空宇宙市場向け材料は、帝人(株)炭素繊維事業本部(CFBU)のポートフォリオにおいて中核を成す重要な分野です。炭素繊維事業本部では、エアバスおよびボーイングといった主要顧客向けに、次世代航空宇宙構造部材の要求や課題に対応するドライファイバー材料および熱可塑性材料の開発を進めています。
当社の開発プロセスにおいては、公的資金を活用した研究プロジェクトへの参画を含む、お客様との緊密な協業が不可欠です。こうした顧客・市場志向の効率的なアプローチこそが、商業的に成功する高性能・高品質製品のポートフォリオ構築につながっています。そして、このような継続的な協業の成果が、複合材料分野で最も権威ある賞の一つとして評価されることは、当社にとって大きな栄誉です。本受賞は、帝人(株)の市場における認知度向上にも大きく寄与するものです。
1998年に創設されたJECアワードは、世界中の革新的な複合材料ソリューションを表彰・促進する国際的なアワードです。2026年1月12日(月)、フランス・パリで開催された「JEC World Premiere」において、11部門の受賞プロジェクトが発表されました。このたび、当社が貢献した2つのプロジェクトが受賞しました。
「SAUBER 4.0」:航空宇宙(プロセス)部門で受賞
「SAUBER 4.0」は、航空宇宙(プロセス)部門において受賞しました。本プロジェクトは、航空宇宙用途向けのスマートで持続可能、かつ産業規模への展開が可能な次世代RTM(樹脂トランスファーモールディング)プロセスを開発した点が高く評価されました。
SAUBER 4.0では、産業界と研究機関との緊密な連携を通じて、技術的卓越性、デジタル化、サステナビリティを融合。複雑かつ大型の部品製造を可能にする包括的な製造技術アプローチを確立し、環境配慮と経済効率の両立を実現しました。本成果は、エアバスの次世代単通路機の実現を支えるとともに、当社が高需要製品における主要材料サプライヤーとしての地位を強化するものです。テイジン・カーボン・ヨーロッパは、強力な産業・研究コンソーシアムの一員として、ドライファイバー材料の開発・製造に関する専門知見を提供しました。プロジェクトのパートナーの皆様、ありがとうございました。
「LeiWaCo」:配管・タンク・水素部門で受賞
「LeiWaCo」プロジェクトは、配管・タンク・水素部門においてJECアワードを受賞しました。同プロジェクトは、世界初の複合材製液体水素(LH₂)システムとして、極低温環境におけるマイクロクラックの発生を抑制することを目的に設計されています。
本システムは、最適化された設計、先進的な製造プロセス、ならびに特性を最適化した熱可塑性樹脂マトリックス積層材を基盤とし、−253℃の条件下でCFRPタンクに発生するマイクロクラックの課題に対応します。高い耐低温ひずみ特性を有する靭性の高い熱可塑性マトリックス、内部応力を低減する薄肉材料、機械的荷重と熱収縮を最適にバランスさせた積層設計、さらにCTEミスマッチを排除するオールコンポジットライナーにより、軽量化とコスト低減を同時に実現しました。これにより、自動製造の可能性が広がり、グリーン水素モビリティの実現に貢献します。本プロジェクトは、サブスケールの機能実証機により検証されています。