炭素繊維技術でマラカナン・スタジアムを強化、象徴的ランドマークを保全
24. February 2026 | ブログ
既存インフラをアップグレードしながら、歴史的建築の価値を守ることは、現代建設における大きな課題のひとつです。マラカナン・スタジアムの改修プロジェクトは、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)による補強ソリューションが、象徴的な建造物の安全性・耐久性・持続可能性を高めつつ、その寿命を延ばせることを示す好例となっています。
ブラジル・リオデジャネイロに建設されたマラカナン・スタジアムは、1950年に建設された当時、「世界最大のスタジアム」として知られていました。最大20万人の観客を収容しながら、すべての座席から良好な視界を確保できるように設計されたその建築デザインは革命的で、高く評価されていたのです。2014年のFIFAワールドカップと2016年のオリンピック・パラリンピックを前に、この象徴的なスポーツ施設は大規模な改修工事が行われました。2010年から2013年にかけて、新たな規制や基準を満たすために構造的なアップグレードが行われました。これらの改修は、鉄鋼の腐食や鉄筋コンクリートの劣化に対処すると同時に、より大型化した屋根構造を支え、スタジアムの歴史的・文化的価値を維持することが求められました。軽量な複合材料により、大規模な解体や改築を行うことなく、既存のインフラを効率的にアップグレードすることができました。
3年にわたる改修工事では、新しい屋根構造を視覚的な影響を最小限に抑えながら統合し、元の建築の外観を保ちながら、安全性、耐久性、耐荷重性を高めることを目標としていました。また、スタジアムは高い安全基準を満たす必要があり、太陽光発電設備や水再利用システムなど、持続可能性を高める機能も導入されています。
観客収容人数の増加と新しいスタジアムの屋根がもたらす構造上の課題に対応するため、さまざまな種類の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が使用されました。CFRPは軽量で、既存構造への負荷を最小限に抑えながら補強できる点が特徴です。曲げ補強については、中間スパンの梁にエポキシ樹脂で接着したCFRPラミネートを取り付け、さらに低弾性カーボンファイバーシートを使ったアンカーシステムでしっかりと固定しました。これにより、構造としての一体性を保ちながら、梁が支えられる荷重を大きく高めつつ、余分な重量を増やさずに済みました。せん断補強では、高弾性のCFRPシートを支柱部分や吊り構造の補強に用い、新しい屋根による追加荷重に対して、高いせん断耐力と構造安定性を確保しました。
また、主要な支柱にはカーボンファイバーメッシュを巻き付け、屋根構造がかかえる追加荷重に耐えられるよう強度を高めるとともに、耐久性や疲労寿命も向上させています。
最終的な補強には、1万5,000メートル以上のCFRPラミネート、約2,600㎡のCFRPシート、約1万7,000㎡のカーボンファイバーメッシュが使用されました。
こうした先進的な複合材を使うことで、従来の補強方法よりも施工期間を短縮でき、既存構造への負担を抑えられるほか、腐食や老朽化、衝撃、疲労に対して高い耐性を実現しています。
テイジン・カーボンは、世界各地の象徴的な土木・インフラ・建築プロジェクトに対し、当社の材料が貢献していることを誇りに思っています。当社の先進的なカーボンファイバーソリューションは、軽量で長寿命な補強を可能にし、既存構造物を持続可能な方法で強化することを支えています。マラカナン・スタジアムの改修は、先進複合材ソリューションが象徴的建造物の耐用年数を延ばし、持続可能な改修戦略を実現できることを示す代表的な事例です。