環境配慮型原料を用いた炭素繊維が国際認証を取得
29. June 2023 | ニュース
帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:内川 哲茂)は、このたび、静岡県の三島 事業所で生産する炭素繊維「テナックス」ならびにその材料であるポリアクリロニトリル (PAN)について、持続可能な製品の国際認証のひとつである ISCC PLUS 認証(*1)を 取得しました。炭素繊維とその材料である PAN が合わせて同認証を取得するのは、 世界初のことです。
(*1) ISCC PLUS 認証:国際持続可能性カーボン認証。マスバランス方式によるバイオマスや再生材料などに 由来する製品について、グローバルなサプライチェーン上で信頼性を管理・担保する国際認証のひとつ。

このたび当社が ISCC PLUS 認証を取得した、三島事業所で生産する PAN ならびに 「テナックス」は、バイオマス由来製品の廃棄物や残留物を用いたアクリロニトリル (AN)または循環型の原料を用いた AN を使用し、同認証に基づいたマスバランス 方式(*2)で生産するものです。 (*2) マスバランス方式:原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオ マス由来原料)とそうでない原料(例:石油由来原料)を混合させる場合に、特性を持った原料の 投入量に応じて、製品の一部に対し、その特性の割り当てを行う手法。
原料である AN が従来の石油由来の AN と同等の物性であることから、これを 用いて生産する PAN や「テナックス」は石油由来品と同等の物性を有します。その ため、従来品から容易に切り替えることができ、製品のライフサイクル全体における GHG 排出量の削減に貢献することが期待されます。
このたびの認証取得を受け、当社は、2024 年前半までに、石油由来の原料を用いた 従来品に加え、同認証に基づいたマスバランス方式での PAN ならびに「テナックス」 の生産・販売開始を目指し、準備を進めて行きます。
また、環境配慮型の製品の展開を強化すべく、欧米、アジアで生産している炭素 繊維およびその関連製品においても ISCC PLUS 認証に向けた検討を進めます。
帝人グループは、持続可能な社会の実現に向けて、人を中心に考え、「Quality of Life」を向上させる革新的なソリューションを提供していくとともに、事業活動に 伴う環境、社会への負の影響が最小限となるよう努力し、長期ビジョンである「未来 の社会を支える会社」となることを目指していきます。
*帝人株式会社三島事業所は、ISCC の最新の規定に則り、ISCC PLUS 要求事項に準拠する ことを約束し宣言します。